息子のトイレが近いため、小児科へ私一人で便培養の結果を聞きに行った。
結果、異常なし。
医師「うーん、お腹の風邪が長引いてるのかもねー」
私「なんか、尿も近いみたいなんですけど、メンタル的なものですかね」
医師「それも否定できないねー」
その時の私は、逃げ場のない不安に支配され、必死に正解を探していた。
ハッキリと言わない医師対し、胸の奥に一気に苛立ちがこみ上げた。
(じゃあ、何なの!息子は何の病気なの!)
抑えきれない不安と怒りで、自分でも表情がこわばっていることが分かる。
それでも内心とは裏腹に、理解のある母親を演じながら言った。
私「大きな病院で検査をしてもらいたいので、紹介状をお願いします。」
どうか、心の病気ではありませんように。
膀胱炎とか身体的な原因で、トイレが近くなっているだけだ。
大丈夫だと思いたいのに、不安が隙間から入り込んできた。
翌日、車で紹介状を書いてもらった総合病院へ。
やはり、3分間隔くらいでトイレに行きたいと言う息子。
総合病院の小児科、紹介状があっても待つ。
待合室に座っていられない。
何分もトイレにこもり、出てきても椅子に座ることもなく、トイレのドアノブをずっと持っている。
30秒も経たない内にまたトイレへ。
行くたびに尿も便もでているわけではない。
周囲から不自然な視線を向けられる中、
息子は終始落ち着かない様子で、身の置き所がないように見えた。
やっと順番になり、超音波検査へ。
男性の技師さんは柔らかい雰囲気で、検査中何度もトイレに行く息子に「大丈夫だよー」と温かい言葉をかけてくれた。
私にとっても、ほんの少しの間だけ、張り詰めていた心がほどける時間だった。
尿検査も終わった。
さぁ、診断名を教えてください。
総合病院まできたし、診断を受け、必要な治療をする。
不安の底にいながらも、これで解決できると信じていた。
診察室に呼ばれた。
若い男性医師だった。
医師「身体に異常はないので、尿意は我慢してください。」
・・・
え?
それだけ?
何かあるでしょ?
薬とか、他の検査とか。
「何もありません。尿意は我慢してください。」
・・・
どうやって診察室を出たか覚えていない。
息子の
「ありがとうございました!」
という、まっすぐとハッキリとした声だけが耳に残った。

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